生産者・ワイナリー紹介

ドメーヌ ペレ

Domaine Pelle

メーカーサイト: http://www.henry-pelle.com/

上質なサンセール? いや、メヌトゥー・サロンのモローグ

サンセールに隣接するAOC地区メヌトゥー・サロン。1959年にAOCに認められた生産地。
ドメーヌ ペレはメヌトゥー・サロンを代表する生産者として「レ・ギイ・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス 2023年版」に星付きで掲載される唯一の造り手。
メヌトゥー・サロンは東西2地区に分けれれる。西側半分はメヌトゥー・サロン村を中心とする標高300メートルのフラットな土地、サンセールに接する東半分のモローグ村は標高350mで斜面で構成されている。異なった地勢と微気候を持つこの2地区、造られるワインの味わいも異なる。ドメーヌ ペレはモローグの地で代々続くワイン生産者。モローグの土壌はサンセールやシャブリと同様のキンメリジャン土壌、一部にシレックスを含んでいる。モローグはメヌトゥー・サロンと比較して畑の標高が高く、その多くが斜面で構成されている。陽光は降り注ぐものの比較的涼しいモローグの気候はソーヴィニヨン・ブランに最適な栽培環境を提供している。
現在、ドメーヌ ペレは全42ha(メヌトゥー・サロン37ha、サンセール5ha)の自社畑を持つ。30haはソーヴィニヨン・ブラン、12haにピノ・ノワールが栽培されている。年間生産量25万本。2021年からペレの畑はビオロジックの認証を得ている。それまでも化学肥料や除草剤は使用せず、農薬も必要な時以外は使用していないリュット・レゾネであった。

ポール・アンリ・ペレ

ドメーヌ ペレの現当主はポール・アンリ・ペレ。1985年生まれのポール・アンリは代々ペレ家の家族と同様にモローグの地で育つ。ボーヌの醸造学校でワイン造りを学び(同級生にはシャブリのジャン・コレ現当主ロマン・コレがいた)、卒業後、ブルゴーニュのバンジャマン・ルルーとドメーヌ ユベール・ラミに師事、ここで彼は自らのワイン造りの方向性を見出した。
2007年、ポール・アンリは早くに亡くなった父エルネストの後、ドメーヌを守ってきた母アンとワインメーカーのジュリアン・ゼルノットと共にドメーヌ ペレでのワイン造りを開始した。ジュリアン・ゼルノットは現在、ラングドックでドメーヌ デュ・パ・ド・レスカレットを主宰している。

ドメーヌ ペレのワインを形作るもの

現在のサンセロワと呼ばれるサンセールとその周辺の産地を代表する造り手として高い評価を受けるドメーヌ ペレ。現当主のポール・アンリの並外れた感性や師事した生産者や共にワイン造りを行ったワインメーカーの実力もあるが、彼のファミリーが造りあげてきた伝統の上に現在のワイン造りが繋がっている。
ポール・アンリの祖父アンリ・ペレはワイン造りと同時に苗木の栽培者としても活躍した。現在のペレの主要な畑はアンリがマッサルセレクションによって生み出した苗木が植樹されている。クローンセレクションに比べて、より土地の伝統を伝えるマッサルセレクションによって植えられたペレの畑は既に約束された畑と言えよう。
ファミリーの伝統、何世代にもわたるワイン造りにかける弛まぬ努力の上にポール・アンリの感性、そしてブルゴーニュで彼が学び取った現代のワイン造り、すべての要素が混然一体となり、現在のドメーヌ ペレのワインに結実している。