ワインコラム

夏のスパークリングワイン2選

才気溢れるヴァン・ナチュール生産者 ヴァンサン・カレム

7月、梅雨の終わりから夏が始まる季節には、爽やかなスパークリングワインがお似合いのシーズンです。そんな時期にお勧めのスパークリングワインを2本ご紹介します。

最初の1本は、本コラム初めての登場のフランス・ロワール地方ヴーヴレの生産者「ヴァンサン・カレム」です。ロワール地方は赤・白・ロゼのスティルワインと共にスパークリングワインの産地としても有名です。フランスを東から西に横断すること1200kmのロワール川中流域に位置するヴーヴレは、ロワール地方でも高級なスパークリングワインの産地として知られます。

この地の主要葡萄品種はシュナン・ブラン。ヴァンサンは自然な葡萄栽培方法で熟度の高い葡萄を収穫し、そこから醸造したワインを使ってスパークリングワインを造ります。スパークリングワイン造りは、ワインを砂糖と酵母と共にボトルに入れて、王冠で栓をして瓶内で発酵させ、そこで発生した炭酸ガスを閉じ込めます。これが所謂シャンパーニュ方式と呼ばれる製造方法です。瓶内で酵母が糖分を炭酸ガスとアルコールに分解した後、酵母の死骸からアミノ酸がワインの中に抽出され、ワインに旨味を与えます。この点が、ワインに炭酸ガスを注入する方式などと味わいの上で大きな違いとなり、手間と時間をかけてでも、価値あるスパークリングワインを造る場合に使われます。ヴァンサンのスパークリングワイン造りは、まだ糖分を残した状態のワインを瓶詰めし、酵母のみ添加して葡萄由来の糖分を発酵させスパークリングワインとします。また、多くのスパークリングワインの場合は瓶内2次発酵の後、澱引きしてコルクを打栓しますが、この時に甘さの調整のため砂糖を添加します。これをドサージュと言いますが、ヴァンサンのワインはドサージュ無しでも十分な味わいを持っているため、澱引き時に砂糖の添加を行いません。

〔画像〕ヴァンサンと奥様のタニアさん

奥様の名を冠した『ヴーヴレ キュヴェ・テ(T)』

ヴァンサンは自らのドメーヌの全てにビオロジックの認定を受けています。一方、近隣でヴァンサンと考えを共有できる友人たちの葡萄栽培農家からも葡萄を供給しています。供給された葡萄はビオロジックの認定こそ得ていませんが、限りなくヴァンサンの造りに近い葡萄で、これを使って造られたスパークリングワインがヴァンサン・カレムの「ヴーヴレ キュヴェ・テ(T)」です。この「T」とは奥様タニアさんのこと。タニアさんとは、ヴァンサンが南アフリカのワイン生産者のコンサルタントとして赴いたときに知り合ったと聞きました。

「ヴーヴレ キュヴェ・テ(T)」はヴァンサンの他のワインのラインアップと同様に実になめらかで、ナチュラルなその味わいは季節を問わず楽しめますが、日本で言えば今の時期、梅雨から夏にかけては本領発揮するように思います。関西で言えば鱧料理、鮎などと見事な相性をお確かめいただきたいと思います。

〔画像〕フランス・アンジェのレストランで、ヴァンサン・カレムとの出会い


⇒ 「ヴーヴレ キュヴェ・テ」はこちら
⇒ 「ドメーヌ ヴァンサン・カレム」のワインはこちら

誰もが認めるアルヴァリーニョのトップ生産者 ソアリェイロ

さて、もう一本のスパークリングワインはポルトガルの最北部、ミーニョ川を挟んでスペインと対峙するヴィーニョ・ヴェルデ地方最北端のモンサン・メルガッソ、注目を浴びるアルヴァリーニョワインの生産者「ソアリェイロ」の造る泡、「ブリュット アルヴァリーニョ」です。爽やかでフレッシュな味わいを楽しむヴィーニョ・ヴェルデの中で、長期熟成も可能な白ワインをアルヴァリーニョ種で造り上げ、世界のワイン市場に衝撃を与えたソアリェイロ、次々と新たなアイディアを実現させてゆく、エネルギーに溢れたソアリェイロ当主のルイス・セルデイラさんは、ポルトガルを代表するワイン誌で2019年度の「ワインメーカー・オブ・ジ・イヤー」に選ばれた人物です。

〔画像〕ソアリェイロ当主のルイス・セルディイラ

ノーベル賞受賞者も堪能した『ブリュット アルヴァリーニョ』

トロピカルな果実味と心地よい酸味が見事にバランスしたアルヴァリーニョのワインをベースに、シャンパーニュ方式で造られた「ブリュット アルヴァリーニョ」、持ち前の心地よい酸味は勿論の事、スパークリングワインの工程で得た旨みや複雑さは、お料理の味わいをしっかり受け止めるだけの力強さをも持ち合わせています。

ソアリェイロのルイス・セルデイラさんのエネルギッシュな向上心や果敢な挑戦は、素晴らしい人々との出会いを呼び込む引力があります。ポルトガルを代表する生産者「ニーポート」の当主ディルク・ニーポートさんとも昵懇の仲で、ニーポートとのコラボワインも造っているほどです。

そんなルイスさん、2018年に来日いただいた時には台風まで呼び込みましたが、台風の翌日、京都で行われたメーカーズディナーには、ノーベル賞受賞直前の本庶佑氏にご来場いただいてのワイン会を行い、その数週間後にテレビで本庶先生の受賞を聞いてビックリしたことを思い出します。

〔画像〕ソアリェイロ ブリュット アルヴァリーニョ

味わいは勿論、ワインの持つ不思議な力で素晴らしい出会いを呼び込んでくれそうな、ソアリェイロの「ブリュット アルヴァリーニョ」。世界各国の優れたスパークリングワインと比較しても、そのコストパフォーマンスの高さは納得していただけるものと思います。

ソアリェイロのスティルワインは魚介類、特に甲殻類との相性の良さは有名ですが、このブリュットもそのDNAを引き継ぐもので、エビ・カニ・貝類との相性は例えようもありません。

〔画像〕ソアリェイロのワイナリー


⇒ 「ソアリェイロ ブリュット アルヴァリーニョ」はこちら
⇒ ソアリェイロの詳細とワインはこちら

⇒ その他、夏におすすめのスパークリングワインはこちら