世界のワインのコラム

世界の葡萄品種飲み比べ ― シャルドネ編

先週末は春の陽気で桜も開花し、お花見がてらに散歩を楽しむ方も多かったのではないでしょうか。パーティやイベント等が中止になり、家でワインを飲む時間も増えていることと思います。

ポントヴィーニョでは「家飲み」をもっと楽しんでいただけるよう、「葡萄品種の飲み比べセット」シリーズをご用意いたしました。

ワインの味わいは原料となる「ブドウ品種」によってほぼ決まりますが、さらに同じ品種でも、ブドウが育つ気候や風土によって、それぞれに違った個性を見せてくれます。

いろいろと飲み比べてお気に入りのワインを見つけて下さいね。

今回のコラムでは、各ワインの特徴や比較する時のポイントについて簡単にご説明いたします。
ワインのことをより深く知っていただくと「家飲み」がもっと楽しくなるはずです!

さて第1回目は、世界各国で造られていて、最も有名で人気がある白ワイン品種「シャルドネ」の味わいについてご紹介いたします。

以前ワインメーカーに「ワイン造りが難しいと思われるのは、どんな品種ですか?」と聞いてみたところ、「シャルドネ」という答えが返ってきて驚いたことがあります。シャルドネは白ワインの中でも定番ワインなので、どこが難しいのだろうと。

実際、シャルドネは生産地の特徴やワインの造り方が、味わいに大きく反映されるため、様々な国で様々なタイプのシャルドネのワインが造られています。イメージするワインをどのように造るか、ワインメーカーの力量が試されるということでしょうか。

シャルドネの魅力とは

●世界各国で造られていて、白ワインのブドウ品種の中では、最も有名で人気があります。
●白ワインの中では最も高価なワイン(モンラッシェ50万円以上など)から、1,000円台のデイリーワインまでいろいろなワインが造られています。
●シャルドネはブドウ品種として個性的な特徴が少ないため、生産される地域の特徴やワインの造り方によって、多彩な味わいのワインが造られています。

冷涼な産地:
ハーブやレモンなどの柑橘系果実や白桃や洋ナシの風味があり、酸味のすっきりとしたワイン
温暖な産地:
パイナップルや黄桃のような完熟した果実風味でボリューム感がある豊かなワイン

ステンレスタンクによる醸造、熟成:
基本的に外気が遮断されるため、フレッシュな果実味が保たれ、きれいな酸味が特長のワインになります。
木樽による醸造、熟成:
樽の成分が抽出され、穏やかに酸素が供給されることにより、バニラ(特に新樽)やスモーキーなニュアンスが加わります。
※木樽との相性も良いため、高級なシャルドネは樽による醗酵、熟成が行われ、味わいに樽による風味が加わり、熟成によってさらに複雑な香りへと変化していきます。


シャルドネの多彩な味わいには、そのスタイルに合った料理を

●きれいな酸のあるすっきりとしたシャルドネ: フレッシュなシーフードやサラダ、マリネなどの前菜
※辛口白ワインの代名詞「シャブリ」と生牡蠣は定番の組み合わせです!
※ワインはしっかりと冷やすことにより、シャープな酸とキレのあるドライな味わいが引き立ちます。

●樽の風味がきいたコクのあるシャルドネ: 魚のムニエルや、軽めの味付けの鶏肉や豚肉など
※複雑な味わいでボリューム感があるので、バターやクリームソースなどのオイルを使った料理とよく合います。
※ワインの豊かな味わいを楽しむために、冷やしすぎないようにしてお楽しみください。

ポントヴィーニの「シャルドネ飲み比べ」セット

フランスのシャルドネ:
北はシャンパーニュ地方から南のラングドック地方まで広く栽培されていますが、最も伝統的な栽培地域はブルゴーニュ。中でも、シャブリ地区では(通常のシャブリには樽をあまり使わないので)すっきりとした酸味がありピュアでミネラル感のある味わいが特徴です。同じブルゴーニュの中でも、モンラッシェやムルソーといった最高級の白ワインには樽が使われ、豊かな果実味に樽の風味が加わり、リッチな味わいの長期熟成向きのワインとなります。

◇ドメーヌ ジャン・コレ シャブリ (フランス シャブリ地区)
柑橘系のフルーツの香り、きれいな酸味と豊かな果実のバランスがよく、ミネラル感のあるすっきりとした味わい。ステンレスタンクにより、醗酵、熟成を行っているため、透明感のある美しい味わいが特徴です。

ニュージーランドのシャルドネ:
ニュージーランドは比較的に涼しい地域でありますが、日照量が多く1日の寒暖差が大きいため、ブドウのフレーバーが凝縮し、きれいな酸味を保ちつつフルーティな味わいが特徴です。シャルドネには樽を使って醗酵、熟成を行うため、豊かな果実風味にナッツやバニラの香りが加わり複雑な味わいになります。

◇ヴィラマリア セラーセレクション シャルドネ (ニュージーランド マルボロウ地区)
柑橘類、ネクタリンに加えアーモンドやトースティな香りが混じる。複雑なナッツのキャラクターと涼しい気候のミネラル感があり、バランス良く洗練された味わい。

チリのシャルドネ:
西を太平洋、東をアンデス山脈に囲まれた地域。冬季は温暖で雨が多いが、雨の少ない夏にはアンデス山脈の雪解け水を灌漑に使用している。白桃やパイナップル、トロピカルフルーツなどの果実優実豊かで、ボリューム感のある味わいが特徴。

◇サンタアリシア シャルドネ グランレゼルバ (チリ マイポヴァレー)
パパイヤやマンゴーなどのトロピカルフルーツの香り。クローブ、バタースコッチ、ドライハーブがほのかに香る。濃く、とてもバランスの良いミネラル感と素晴らしい余韻。

さて、どのシャルドネのワインがお好みでしたでしょうか?

ー> シャルドネを使用したワインはこちらから