ポルトガルのワインのコラム
パウロさんのボーロ・レイ【京都】
『王様のお菓子』という意味の『ボーロ・レイ』は、クリスマスから1月6日の王様の日までポルトガルの食卓に並びます。イースト菓子で、リング型の生地の上に砂糖漬けのドライフルーツを王冠の宝石のように飾ってあり、見た目も鮮やか、クリスマス気分が盛り上がります。
ポルトガルは国民の大多数がカトリック教徒なので、キリスト教の救世主であるイエス様の誕生を祝うクリスマスは大切な行事。家族が集まり、ポルトガルの伝統料理の食卓を囲んだあと、チョコレートや揚げ菓子などの様々なスイーツが出され、その中心にあるのがボーロ・レイだそうです。
昔は中に当たり(金属のペンダントトップ)やはずれのそら豆などが入っており、切り分けられたケーキを食べながら、当たりかはずれかを知るのも楽しみの一部だったようです。ケーキのおみくじのようですね。はずれを引いてしまった人はもう一つボーロ・レイを買わないといけなかったとか。
ふわりと柔らかな生地のイーストの香り、生地の合間を縫ってぎっしりと詰まったナッツと果物の砂糖漬けが、ポートワインやマデイラワインともよく合います。
◆ポルトガルのクリスマスケーキ『ボーロ・レイ』
ポルトガル菓子専門店「カステラ ド パウロ」 http://castelladopaulo.com/
◆マデイラワイン 『ヴィニョス バーベイト マデイラ マルヴァジア レゼルバ 5年』
ご紹介させていただいた写真は、京都の北野天満宮の大鳥居のすぐ隣の酒蔵を改装した、ポルトガル洋菓子店カステラ ド パウロの『ボーロ・レイ』。「カステラ ド パウロ」はポルトガル人のパウロさんと奥様のトモコさんが2015年にオープンしたお店。ポルトガル人のパウロさんは16世紀、ポルトガル人宣教師達により伝えられたカステラの原型となったパォン・デ・ローをポルトガルへ里帰りさせたいと、長崎でカステラ作りを学び、ポルトガルのリスボンにお店を開きました。
そのお店はたちまち人気店となったのち、今度はポルトガル菓子の世界を日本の人にも知ってほしいと、惜しまれつつもリスボンのお店を閉め、2015年に京都でオープン。原料にこだわり、添加物を使用せず、愛情をこめて作られるパウロさんの作るお菓子は、素朴で味わい深く、どこか懐かしい味わいで、一度食べたらその虜に。開店から本日に到るまで、人が絶えない人気店です。
ボーロ・レイは日が経って固くなってしまったら、すこし焼いて、バターを塗って砂糖をかけてラスクにして食べると美味しいそうです。
パウロさんのお店では、長崎で学んだ日本のカステラやポルトガル各地のカステラの原型となったパン・デ・ロー、エッグタルトとして日本で親しまれている人気のお菓子パステル・デ・ナタをはじめ、様々なお菓子を販売しており、カフェで楽しむことができます。
ぜひ京都に来られる際は立ち寄ってみてください。地方の方にはお取り寄せもできるそうです!
ポルトガル菓子店 Castella do Paulo(カステラ ド パウロ)
https://castelladopaulo.com/
〒602-8386
京都市上京区御前通り今小路上がる馬喰町897蔵A
TEL : 075-748-0505
FAX : 075-748-0506
営業時間 : 9:30〜18:00 喫茶 : 9:30〜17:00(L.O 16:30)