ポルトガルのワインのコラム
世界遺産ドウロ地方のワインのご紹介 @大阪・関西万博ポルトガルパヴィリオン

大阪・関西万博のポルトガルパヴィリオンの多目的ルームにて、「ポルトガルと和歌山の対話:農業と森林の物語」というテーマで、気候と歴史に根差した循環型の農業モデルとして、和歌山の「みなべ・田辺の梅システム」(世界農業遺産)とポルトガル、ドウロの世界文化遺産について紹介しながら、梅酒とドウロ産ワインの試飲を提供するイベントを行いました。
万博出展アイテムと、ドウロ地方のワインはこちら→
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世界文化遺産ドウロ渓谷 ― 人類の叡智が築いたブドウ畑とワインの風景

ポルトガル北部に位置するドウロ川上流の内陸部には、ブドウの段々畑が織りなす壮大で美しい景観が広がります。この「アルト・ドウロ・ワイン生産地域」は、自然と人間の知恵が織りなす文化的景観として、2001年にユネスコ世界遺産に文化遺産として登録されました。
傾斜の激しい渓谷、夏期の激しい高温と乾燥、痩せたシスト(粘板岩)土壌、という過酷な自然環境にありながら、人々は数世紀にわたり斜面を切り開き、石を積み上げてブドウ栽培のための段々畑(ソカルコス)を築きあげました。18世紀にポートワイン*の国際的需要がイギリスを中心に高まり、それに応えるかたちで、ドウロ渓谷では段々畑が急速に広がっていきました。
ドウロ地方で醸造されたワインは、ドウロ川を下ったポルトのヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤの熟成庫に移されたのち、世界中へと輸出されました。ポートワインはワインの品質と伝統を守るため、世界初の原産地呼称制度(DOC)が制定され、世界に先駆けて品質保護の体制が確立されました。
ドウロ渓谷の景観は、単なる農業風景ではなく、自然に寄り添い、調和しながら価値を生み出すという人類の叡智を象徴するものです。
傾斜の激しい渓谷、夏期の激しい高温と乾燥、痩せたシスト(粘板岩)土壌、という過酷な自然環境にありながら、人々は数世紀にわたり斜面を切り開き、石を積み上げてブドウ栽培のための段々畑(ソカルコス)を築きあげました。18世紀にポートワイン*の国際的需要がイギリスを中心に高まり、それに応えるかたちで、ドウロ渓谷では段々畑が急速に広がっていきました。
ドウロ地方で醸造されたワインは、ドウロ川を下ったポルトのヴィラ・ノヴァ・デ・ガイヤの熟成庫に移されたのち、世界中へと輸出されました。ポートワインはワインの品質と伝統を守るため、世界初の原産地呼称制度(DOC)が制定され、世界に先駆けて品質保護の体制が確立されました。
ドウロ渓谷の景観は、単なる農業風景ではなく、自然に寄り添い、調和しながら価値を生み出すという人類の叡智を象徴するものです。

*ポートワインとは醸造時に無色のブランデーを加えて造られる酒精強化ワイン。ブドウの持つ甘さや味わいをそのままにワインに表現しています。20世紀後半には農業技術も進化し、労働力不足への対応として、伝統的な手法に加えて近代的な栽培方式も取り入れられ、伝統と革新が融合する今のドウロ渓谷の風景を形づくっています。急斜面、細い畝のため、現在も多くの畑では手作業によるブドウ収穫が行われており、祖先から受け継がれた技術と精神が今も息づいています。
<栽培方法について>

ソカルコス(Socalcos)
石を積み上げて造成された伝統的な段々畑。斜面をテラス状に整地し、土壌流出や崩壊を防ぐとともに、ブドウ栽培に適した日照と水はけを確保。現在もドウロのブドウ地区の畑はこのテラス式が主流。畑の作業は全て手作業。トラクターなどの機械が使えない環境ですが、現在は機械での耕作も可能な栽培方法の導入も開始されています。
ドウロのワイン造り
ポートワインの産地として知られるこの地も現在は最高のスティルワインの生産地としても認知され、既に生産量の半分はスティルワインとなっています。収穫は手摘みが多く、そして伝統的な足踏み破砕(ラガール)も受け継がれていますが、機械式(ラガール・ロボット)も一般化してきました。
ドウロ地方の気候
内陸部に位置し、夏は非常に暑く乾燥、冬は寒冷で降雨もある大陸性気候。険しい斜面に築かれた段々畑で栽培されています。ドウロ川沿いに広がり、川と山の生み出す地形、畑の斜面の方角や標高により微気候が生み出されています。
ドウロワインの特徴
赤は濃厚でストラクチャーがあり長期熟成型が主流ですが、ニーポートのようにブドウの抽出が優しくエレガントなワインを生み出す生産者もいます。一般的にはタンニンがしっかりとしており、アルコール度数も高め、黒系果実やスパイスの香りが主体のワインを生み出しています。白はミネラル感が強く、爽やかで複雑な味わいのものが多く、暑い地域の中でフレッシュな酸を得るために、生産者は標高の高い畑や、北向き斜面の畑のブドウを用いることが多くあります。世界的に有名な甘口の酒精強化ワインのポートワインも、ドウロ産のブドウで造られています。新鮮なチェリーや赤いフルーツを思わせる香りと熟した果実や干しブドウの濃厚な味わい、芳醇な甘さ、長い余韻を楽しむことが出来ます。
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石を積み上げて造成された伝統的な段々畑。斜面をテラス状に整地し、土壌流出や崩壊を防ぐとともに、ブドウ栽培に適した日照と水はけを確保。現在もドウロのブドウ地区の畑はこのテラス式が主流。畑の作業は全て手作業。トラクターなどの機械が使えない環境ですが、現在は機械での耕作も可能な栽培方法の導入も開始されています。
ドウロのワイン造り
ポートワインの産地として知られるこの地も現在は最高のスティルワインの生産地としても認知され、既に生産量の半分はスティルワインとなっています。収穫は手摘みが多く、そして伝統的な足踏み破砕(ラガール)も受け継がれていますが、機械式(ラガール・ロボット)も一般化してきました。
ドウロ地方の気候
内陸部に位置し、夏は非常に暑く乾燥、冬は寒冷で降雨もある大陸性気候。険しい斜面に築かれた段々畑で栽培されています。ドウロ川沿いに広がり、川と山の生み出す地形、畑の斜面の方角や標高により微気候が生み出されています。
ドウロワインの特徴
赤は濃厚でストラクチャーがあり長期熟成型が主流ですが、ニーポートのようにブドウの抽出が優しくエレガントなワインを生み出す生産者もいます。一般的にはタンニンがしっかりとしており、アルコール度数も高め、黒系果実やスパイスの香りが主体のワインを生み出しています。白はミネラル感が強く、爽やかで複雑な味わいのものが多く、暑い地域の中でフレッシュな酸を得るために、生産者は標高の高い畑や、北向き斜面の畑のブドウを用いることが多くあります。世界的に有名な甘口の酒精強化ワインのポートワインも、ドウロ産のブドウで造られています。新鮮なチェリーや赤いフルーツを思わせる香りと熟した果実や干しブドウの濃厚な味わい、芳醇な甘さ、長い余韻を楽しむことが出来ます。
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