生産者・ワイナリー紹介

シャンパーニュ クリストフ・ミニョン

Champagne Christophe Mignon

クリストフ・ミニョンの過去・現在・将来

クリストフ・ミニョンはヴァレ・ド・ラ・マルヌのフェスタニーにドメーヌを置くレコルタン・マニピュランのシャンパーニュ生産者。それは1882年から始まる家族の歴史の中で生み出されてきた。
1983年このドメーヌを引き継いだクリストフ・ミニョンは当初彼がリスペクトする曽祖父の名前を冠したシャンパーヌ エリテール・ユージン・プリュドムからクリストフのシャンパーニュ造りは始まる。そして彼自身の名前を冠したブランドを立ち上げてクリストフ・ミニョンのブランドがスタートした。
2006年、教師であったクリストフの妻ローランスがドメーヌに加わり営業部門が強化され、2015年には彼らの2人の息子ロアンとネイサンもドメーヌに合流し新たな世代へワイン造りが受け継がれることが証明された。

全てはブドウ栽培とワイン造りのため

クリストフ・ミニョンのワイン造りはビオディナミを完璧なまでに実践している。しかしながら彼らのシャンパーニュのラベルにはビオディナミやビオロジックの認証の記載は無い。
クリストフに何故かと問うと、例えば最悪の気候条件が重なりビオディナミであることを選びブドウを失うか、或いはブドウを救うために必要な最小限の薬品散布を使うかの判断に迫られた場合、彼は迷いなくブドウを救う選択を行うと言う。だが、彼の姿勢はビオディナミのお手本のようなブドウ栽培からセラーの建築、ワイン造りにもビオディナミのカレンダーをベースに行うなど、完璧なビオディナミ生産者に他ならない。自分の信じたビオディナミによるワイン造りは彼らの土地を表現した最高のワイン造りの方法であり、認証をラベルに掲載することに価値を感じていない、そして万一僅かでもビオディナミを名乗れない状況に陥った場合、ラベルに認証を付ける嘘を許さない精神の持ち主だ。

ムニエへの情熱

シャンパーニュの主要品目はピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエの3種。ピノ・ノワールやシャルドネこそがシャンパーニュを代表するものとの認識のもと、ムニエは補助品種的な扱いを長年、受け続けてきた。
そんな状況を覆したのがクリストフ・ミニョンだった。冷涼な産地、遅霜の被害を受けるヴァレ・ド・ラ・マルヌ地で芽吹きの遅いムニエはこの地の主要生産品目として栽培されていた。ブドウ農家で収穫されたブドウの殆どは大手のシャンパーニュメゾンや協同組合に販売されている。しかも価格は重量で決定されていたため品質に関心を持つ生産者は少なかった。
そんな中、クリストフ・ミニョンはRM生産者としてムニエの持つ可能性に着目し、ムニエを使って最高のシャンパーニュを造り出す事を目標に邁進した。ブドウ栽培からシャンパーニュ造りに至るまで徹底したこだわりを持ち、現在では現地の生産者の間でも誰に聞いても最高のムニエの生産者はと聞くと口をそろえてクリストフ・ミニョンとの答えが返ってくる。そして、クリストフ・ミニョンのシャンパーニュの品名もADNムニエと名乗るようになった。ADNとはフランス語でのDNAを意味し、ムニエのDNAを引き継ぐ者としての意味合いに彼のムニエに対する熱い思いが伝わってくる。