生産者・ワイナリー紹介

ドメーヌ サン・ニコラ

Domaine Saint Nicolas

メーカーサイト: https://www.domainesaintnicolas.com/

ドメーヌ サン・二コラ

ドメーヌ サン・二コラはロワール川の河口から南に約100kmのロワール地方最西端のフィエフ・ヴァンデァンを代表するワイン生産者。
この地は5世紀ころからワインの生産が本格化し一時期は海外に輸出されるほどのワイン産地だった。その後、ワインの生産は停滞し第2次大戦前後までは忘れられた名産地の様相を呈していた。戦後、何人かの生産者の元、ワイン産地として復活を遂げるが造っていたワインは主に近在のリゾート向けの軽いロゼワインが主流だった。
そんなフィエフ・ヴェンディアンに1960年にパトリス・ミッションが数ヘクタールの畑からワイン造りを開始した。パトリスの2人息子エリックと現当主のティエリーが加わり、フィエフ・ヴェンディアンのイルドロングにセラーを建設して1985年にドメーヌ サン・二コラがスタートした。

1990年代からビオディナミを実施

ドメーヌの指揮を執ったティエリー・ミッションはこの地の個性をワインに表現するために1993年からビオディナミ農法の導入を開始し、1995年には全ての畑がビオディナミへの転換が完了した。
ドメーヌの畑は原野の中にあり、それは近隣の生産者が化学薬品を使用しても全く影響のない場所でビオディナミ導入には好都合なロケーションだった。しかしながら大西洋の海岸線から数100mの距離に位置する畑は海からの烈風に吹かれブドウの木も地面を這うように低く仕立てられている。ただでさえブドウ栽培には忍耐力が必要なこの地で慣行栽培の数倍の労力を要するビオディナミ栽培を実施したいとしたティエリーは家族中から猛反対された。根気よく家族を説得しビオディナミを断行、そしてその成果はドメーヌ サン・二コラの評価だけではなくフィエフ・ヴァンディアン全体の評価を押し上げることとなった。
2011年のVDQSからAOCへの昇格も規定の変更だけではなく納得の品質を得られた結果と解釈することが出来る。フィエフ・ヴァンデ内に認定された5つのAOC地区でドメーヌ サン・二コラはフィエフ・ヴァンデァン・ブレムのAOC地区の生産者となる。

高まる評価とドメーヌの今後

フランスを代表するワイン評価誌「LA REVUE DU VIN DE FRANCE」の年鑑に2009年から星付きで掲載されている。
ドメーヌ サン・二コラでは1985年にイルドロングに建設したワイナリーに加え、2015年に白ワインとロゼワイン専用のワイナリーを建設した。新たなワイナリーでのワイン造りは白ワインとロゼワインの透明感を一層高め、よりピュアなブドウの味わいを表現している。ドメーヌには2019年以降、ティエリーの2人の息子のアントワーヌとミカエルが加わり、ドメーヌのワイン造りに新たな時代の感性を取り入れた。今後、更なる進化が期待される。